2019.01.22
FTM本当の自分を知りたい!病院に行く時にやってはいけない3つのこと(その1:病院編)
こんにちは。
直です。
私は、女性から男性になったFTM(female to male)トランスジェンダーです。
13年前くらいに、男性としてい生きていくことに覚悟を決めました。
当時は、なかな情報がなく、どうやって自分自身を知ったらいいのか?診断や治療を進めていけばいいのか?仕事は、どうしたら男性として働けるのか?
よくわからずに全て手探りでこなしてきて、間違った情報に振り回されたり、回り道をしてしまって、治療にとても時間がかかりました。
今回は、トランスジェンダーが身体を変える為の最初のステップ。
病院に行く時にやってはいけない3つのことをまとめました。
自分の性別に向き合いながら、正しいステップを踏んで、自分らしい生き方や在り方に確実に近づいていっていただけたらいいなと思います。
こんな人にオススメです
・自分がトランスジェンダーじゃないかと思っている人
・好きな人やパートナーがトランスジェンダーの人
病院に行く時にやってはいけないこと3つ
いきなり病院に行かない
みなさん、風邪を引いたら、どうしますか?
ほとんどの方は、すぐに病院に行って診察室で順番を待つのではないでしょうか?
しかし、性同一性障害の病院の場合は、そうはいきません。
なぜなら、常に予約が一杯で、病院に行ってもすぐに診察を受けられないことがほとんどだからです。
私自身、2008年11月から関西医科大学付属滝井病院に通院を始めました。
初診までなんと、1年半待ち!
しかも、あまりに多くの人が初診を望んでいたため、半年に1回抽選があり、初診を受けられる人のみに連絡があるというスタイルでした。
「すぐに診察を受けたい」「早く自分が何者かを知りたい」と思うと、もどかしい気持ちになりますが、苛立っても診察が早くできるわけではありません。
まずは、通院しようと思っている複数の病院に連絡をとり、初診への手続きや、待ち時間などを調べて、初診申込の手続きを始めましょう。
診察を受けるまでの期間に、
・学校や社会の中で自分はどう生きていきたいのか?
・診察を終わった後に、どんなことの解決を望んでいるのか?
・親やパートナーとは、どんな関係が自分にとっての理想なのか?
それに近づくためにできることは、なにか?
などのを、ノートに書いて向き合ってみるとより心の準備をして初診を待つことができます。時間を取って、やってみましょう。
親の健康保険証を使って診察を受ける
病院に行く時は、どんなものを持っていきますか?
ほとんどの方が、診察券、保険証、そしてお金と答えるのではないでしょうか。
健康保険証があることで医療費の自己負担が3割になり、窓口での支払いが減ってお金があまりない高校、大学に通っている世代にとっては、とてもありがたい制度です。
ただ、ひとつ注意していただきたいことがあります。
実は、親の被扶養者で保険に入っている場合、定期的に「医療費のお知らせ」通知が届いてしまいます。(国民健康保険なら世帯主、協会けんぽなら被保険者に通知)
つまり、何月何日、◯◯病院、精神科に通院したということが、親に知られてしまう可能性が高いのです。
そうすると、
「あなた、どこか体調悪いの?」
「ここに病院行ったってあるけど、どうしたの?」
ご両親の立場から心配して、望まないいろんな詮索をされてしまいます。
もちろん、そのタイミングでカミングアウトするのも、良い区切りになります。
ただ、LGBTにとって、一番カミングアウトのハードルが高いのが、親です。
誰よりもわかって欲しい、そのままの自分でも愛して欲しいと願いながらも、拒否されて嫌われてしまったらどうしよう。。。
不安、焦り、恐れと葛藤で何も手につかなくなるかもしれません。
では、親に知られずに病院で診察を受けるには、どうしたら良いでしょうか?
2つの選択肢があります。
1、健康保険証を使わずに全額自費で診察を受ける
2、社会人になって自分の保険証で病院に行く
(アルバイトの場合でも年収130万円以上(月10.8万円以上)の収入があると、自分で健康保険に加入ができます)
経済的に親から自立をして、選択肢を増やす。
良い意味でとらえると、自分の人生を歩む力強い一歩になるでしょう。
この機会に、
・診察をきっかけに、親に伝えたいのかどうなのか?
・伝えるとしたら、どんなタイミングで伝えるのか?
・なぜ、そのタイミングがいいと感じているのか?
など、自分の価値観に向き合ってしっかり考えてみましょう。
医師に丸投げにする
「私は、性同一性障害だとわかればいい。」
「医者に会えば、自分が何者かわかって生きやすくなるはずだ。」
確かに、カウンセリングをして、あなたを診断をするのは医師です。
自分が何者かわかれば、安心して自分を受け入れるきっかけには、なるでしょう。親やパートナーにも、自分自身のことを説明しやすくなるのも事実です。
ただ、診断は、ゴールではなく、あくまでスタート地点です。
「自分の人生をどう生きたいのか?」
「スカートが嫌だと感じていたけど、どうしたいのか?」
「どんなタイミングで性別を変更していきたいのか?」
これらを決めるのは、医師ではなく、あなた自身です。
「医師がこう言ったからやってみたのに、うまく行かなかった。」
そう言って、人のせいにして被害者意識を持ったままだと、性別を変えても何もうまくいきません。
制服や呼び方を変えて欲しいと学校側に依頼する。
自分が本当に使いたいと思っているトイレを使用する。
好きな相手に告白をする。
現実の場面でその過程を自分自身で乗り越えて行かなければなりません。
失敗もするかもしれません。
自己嫌悪、恥ずかしい、格好悪い時もあるでしょう。
そんな自分も受け入れていくと、どんどん生きやすくなります。
医師は、そのことに寄り添ってくれる伴走者だとしっかり意識して、自分自身で決断して行動して行きましょう。
いかがだったでしょうか?
最初の病院についてこころの準備ができたでしょうか?
また、詳しい診察内容は別の記事でご紹介します。
今日も読んでいただいてありがとうございました。