2021.01.17

1月15日「LINE相談から見るLGBTユース支援と可能性」に参加して

こんにちは。LGBT活動家の直です。

2021年1月ももう半ばになりました。
皆さんは、いかがお過ごしでしょうか?

私は、今年の年越しは、奈良の実家に帰ることができず、大阪の自宅でお寿司を食べて、近所の神社に初詣にいきました。それ以外は、ほとんど仕事でお正月感は、あまりありませんでした。

幼い頃は、年末年始といえば、一大イベント。

親戚一同が集まり、一緒におせち料理を食べて、
従姉妹や兄、妹と一緒にカルタや人生ゲームをして賑やかに過ごしたり、お年玉をもらって、新しい服で気持ち新たに新年の抱負を父を筆頭に伝えあったりしていました。

それが、2021年は、あまりにもあっさりと幕開けを迎えました。

思ったことは、その日をどう定義するか?に共通認識があれば、それは特別な1日になるけども、それがなかったとしても、大切な1日に変わりは、ないということ。


今日も与えられている命に感謝しながら、できることを日々しながら、過ごす2021年にします。


さて、先日、セクシュアルマイノリティと医療と福祉と教育を考える全国大会に参加しました。毎年、会場だったものが、今年はオンラインでの開催。

セクシュアルマイノリティと医療と福祉と教育を考える全国大会


5000円の通しチケットを買って、いくつかの講演を聞くことができました。個人的な予定変更で参加できないものも多く残念だったので、次回は、期間限定のアーカイブもあればいいなと思います。


この全国大会は、毎年LGBTの中でもいろんな分野の専門家や団体からの活動実績報告会で興味深い内容ばかりです。

今日は、1月15日(金)LINE相談 LGBTユース支援についてをシェアしたいと思います。

1、どれくらいの相談があったのか?

2、実際の相談内容で多かったものは?

3、LINE相談のメリット、デメリット

4、工夫されていることなど


登壇されたのは、
北海道札幌のLGBT支援団体
NPO法人北海道LGBT・リソースセンターL-Port 、代表理事の中谷衣里さん。

2018年11月からLGBTのためのLINE相談にじいろtalk-talkを実施。LGBTの若者を対象にLINEでセクリュアリティに関する相談を受け付けています。


にじいろtalk-talk 開催日程 2021年3月までの開催日程。



1、今までどれくらいの相談があったのか?

全27回開設して、相談件数は、522件。その中で302件が解決。
実際に相談があったのは、70%が10代とのことです。

全国の行政で、LGBTに関する電話相談を実施しているものの、携帯やメッセージに慣れている10代〜20代にとっては、電話は日常的なものではなく、使用して相談するにはハードルが高いと感じている人が多いそうです。

また、誰かに聞かれてしまうかもしれないという不安も持っているとのお話でした。

2、実際の相談内容で多かったもの

心と体の違和感、恋愛、カムアウトやコミュニティ情報について。

やはり、学校で学ぶ機会がなく、人と違うことをあまり良しとしない日本の中では、誰に言うことも聞くこともできなくて、一人で悩んでしまう人が多いです。

LINE相談を受けた後のアンケート結果では、

モヤモヤがすっきり、気持ちが前向きになるなど、精神的に安心するような感想が多く、一人ではないなど精神的な部分での不安が解消されることがデータで出ています。

私自身も、27歳まで当事者の友達以外には、言うことができずにしんどい思いをしてきました。相手がわかってくれる前提で受容されながらメッセージのやりとりができる場があるのは、とてもいいことだと感じました。


3、ライン相談のメリット、デメリット
<メリット>

・無料で相談ができる

・性の多様性について安心してやりとり

・周りの人に知られずに利用できる

・隙間時間を利用してリアルタイムでやりとり

・地方や海外からも場所を問わすに相談できる

学校での授業や部活、自宅ではお風呂やご飯の時間が選べないユースの子ども達にとって、帰りのバスやリビングなどで、内容を知られずに気軽にやりとりができるようです。



<デメリット>
・対面ではないので、表情や声色などがわからない

・大丈夫でなくても、「大丈夫」と離脱してしまう人もいるかもしれない

メッセージの文字のやりとりなので、感情や言葉の裏にある想いが汲み取れない可能性があると話をされていました。

 やりとりをする中で、話しやすい雰囲気作りに努める。相手の方の様子を見た上で、絵文字を使うなどして、心理的安全性を高めるように意識されています。

4、工夫していることなど


・事前に半年先までの予定をSNSで伝えている

・独自の研修を受けた専門相談員が対応

・LGBT団体が実施する細やかな配慮がる
例)相談内容を番号で選ぶ、呼ばれたい名前を自分で決められるなど

たくさんの方に対応された経験から改善を繰り返して、相談内容を事前に選びやすくしたり、毎月の相談曜日を固定しないなど、どなたでもアクセスしやす工夫をされていました。


<まとめ>

とても、素晴らしい取り組みだと感じました。LINEというツールがまだ、行政や教育機関には馴染みがない場合が多く、団体と連携するには至っていないようです。

人生の土台を築いていく大切な時期だからこそ、相談やアクセスへのハードルを下げて、どこにいても気軽にセクシュアリティの相談ができるこのLINE相談がもっと普及すればいいなと思います。

LGBT支援団体向けなどにも、専門相談員の講座を指導(有料)をされているようです。興味がある方は、ぜひ、Twitterや団体HPから連絡をしてみてください。

北海道LGBT支援団体
NPO法人北海道LGBT・リソースセンターL-Port 

良い1日をお過ごしください!!