2017 06 02

CANADA

Ally


QMUNITY(キューニティ)バンクーバーの老舗LGBT支援センターを訪問してみた

 

世界で最も住みたい街のひとつで人気のバンクーバー。移民やLGBTQに寛容で多様性の街としても知られるそして、LGBTQへの権利も企業、行政、法律と力を合わせて改善を進めてきている。

 

今回は、そのバンクーバーで1979年から約38年間ものLGBTQコミュニティーへのサポートをしてきたQMUNITY(キューミュニティ)を訪問して活動内容と運営継続の秘訣を聞いてみた。

 

QMUNITYは、バンクーバーのダウンタウン、デイビーストリート(通称ゲイストリート)の近くにある。

このエリアは、いたるところにレインボーフラッグが掲げられ、多くのCaféやBar、レストランでにぎわうゲイ・コミュニティが発達している場所とされている。ダウンタウンからも徒歩圏内で、ゲイバーだけでなくオシャレなショップやレストランもあり、夜遅くまでにぎわっている。

 

カナダは、2005年に同性婚が合法化された。
オランダ、ベルギー、スペインに続く4番目の都市であり、同性愛者の生活しやすい街として知られている。現在(2017年6月1日)は、22カ国で同性婚が認められている。

 

同性婚は、カナダ、アメリカ、南アフリカ、ヨーロッパの先進国で認められる一方で、
約73カ国が違反した人を投獄、いくつかの国は死刑に科しているのが現状。
それらの国の多くは、中東・アフリカの国々でイスラムの宗教色が強い場所のようだ。

 

iglaより引用 http://ilga.org

 

この日は、QMUNITYのコミュニティエンゲージマネージャーのジェフリーが施設を案内してくれた。
弟さんが日本にいるという親日家でとてもフレンドリーだ。

 

※Pronounsというのは、本人が呼んで欲しい三人称での呼び方
英語では、性別を特定しない代名詞として、単数形の”They(ゼイ)、Ze(ゼ)、Mx(ミクス)等が用いられることがある。

 


QMUNITYは、どんな活動をしているのか?

”QMUNITYは、カナダのブリティッシュコロンビアに本拠を置く、非営利団体であり、Queerやトランスなどの生活を改善する為に活動している。自分たちを自己表現できるようにより安全な空間を提供している。”

 

主な活動は、

Learn(学ぶ)

Connect(つなげる)

Get support(サポートする)

Take action(行動を起こす

 

 

性の多様性ヘの理解を深め、

組織や家族などが安全で守られている環境を作ること。


性に悩みを持っている人や家族をつなげること。

彼らが生活しやすいようにサポートすること。

そして、その具体的な行動を起こすことなど。

 

 

自分らしいと思える服装、立ち居振る舞いができる機会と場所を提供

「ここでは、同じ立場で話ができるようにピアトゥピア(同じ年代などが話し相手になり、どちらかが上の立場にならない)に工夫しています。部屋の中だけでなくプライドスピーチ、リーダーシップ研修、家族などで会う機会を積極的に作り、人と関わり合いながらどんな場所でも自分を出すことに少しずつ慣らすサポートをしているんですよ。」

 

次は自分が好きな服装で過ごすことができる部屋へ。
「性別に違和感がある、「この性別だから、これ」と、当たり前に与えられるものが自分自身を不快にさせるものだと、どんどん個々の成長過程とは関係のない部分で悩んでしまい、周りの目を気にして果てには将来のことも見いだせなくなってしまいます。

 

「この部屋には、ピンク、青、黄色、いろんな色の上着やワンピース、髪飾り、ズボン、スカート、靴下、靴などがたくさん用意され誰の目も気にする事なく好きな格好をすることができます。さらに、男の子になりたい女の子用に胸をつぶす胸バンドや、女の子になりたい男の子用に胸を入れるブラも無料でオーダーメイドができる環境が整っていて、いつもたくさんの子ども達でいっぱいです。」

 

私には、1つ年上の兄がいる。自分がスカートやヒラヒラの服を着ることに苦痛が合った時に、兄の服をこっそり着ては、鏡に映る自分の姿を見ては、ホッとする時間を過ごしていたのを思い出した。

中高生になると、身体的に女性だとブラジャーに嫌悪感を感じながらも身体の特徴上、使用せざるを得ない。服装は、制服で男女分けされて、私服でも自分の好きな服を買うときにさえ「どんな目で見られるのだろう?」「親に見つかったら、なんて言い訳をしよう」と常に悩みが尽きなかった。

 

服を買うこと。

カットに行くこと。

好きな雑誌を買うこと。

好きな人のことを話すこと。


今、思うと、日常のちょっとしたことにさえ、世間の常識と照らし合わせては、

「変じゃないかな?」と、まわりを常に気にしていた。

 

『自分が自然としたいこと』よりも、

『まわりが求めること』からはみ出ないように、自分を必死に殺して生きてきた。

 

そんな中で、ただ、自分の心のままに、何を演じて隠すこともなく、
過ごすことができる場所があることは、自己肯定感を育むことにつながる。

 

 

 

 

4人のセクシュアルマイノリティの知識があるカウンセラーが決まった日時にカウンセリングを実施。
通常20カウンセリングで1100カナダドルのところを、こちらもすべて無料。


なぜ、これだけの現物やサービス支給に恵まれた環境なのか?

理由は、ボランティアスタッフの応募が毎日あり人件費が抑えられているだけでなく、たくさんのスポンサー募集に成功していること。また、一般企業でファンドレイジング(資金調達)経験が豊富にあるスタッフが積極的に資金を集めていること。州政府、基金、子ども家族開発省、弁護士、銀行、ワインセラー、カーディーラーまでがスポンサーと、セクシュアリティに関わらずいろな分野から支援を受けている。

 

“資金は主に、
約1500人へのトレーニングとコンサルティング
1400時間におよぶ無料カウンセリング

約3万人への個別サポート、若者が自身を肯定する服装の用意、
約6300人の学生がブリティッシュコロンビア州のユースプライドスピークに参加する費用
などに使われている(2016年 HPより引用)”

 

教育を担当するスタッフも配置されていて、
内部外部への講演活動だけでなく、4冊のLGBTQに関する本も制作

個人的には、I Love my chestの本がお気に入り。
自分の性自認と胸はトランスにとっては、切り離せないテーマ。

今後は、若者だけでなく、

・SNSを使用していないシニアの方のコミュニティ作りや老後の過ごし方

・財務やライフプランの基礎講座等

 

ワークショップの数を増やしどんどんシニア世代の当事者もサポートできる体制を構築中。
新しく施設を増設する計画も進んでいて、さらに活動を幅を広げていく。

 

今でこそ、バンクーバーでいろんな支援を受けて運営してるQMUNITYだが、
最初からそうだったわけではない。

 

この時期になると、昔アサガオの観察日記をつけていたのを思い出す。
毎日、毎日水をあげて、のぞき込んで見ていたが、もちろんすぐには大きくならない。
種をまいて2、3日で花は咲かない。数ヶ月後に花が咲くのが自然と花開く。

 

2015年半ばから急速に脚光を浴びはじめた日本のLGBTQの権利活動もすぐに花開くものではない。
ただ、目の前のできること一つ一つに目を向けて進んで行くことはできる。

 

人が自分らしく生きる為にお互いに自由を認め合うこと。
好きな人と堂々と手をつないで歩く、好きな服を来て歩ける環境を作ること。

QMUNITYの活動から学ばせていただいたものから、なにか日本でできる一歩を踏み出したい。



QMUNITY(キューミニティ)
LGBTQ支援団体
住所:1170 Bute St, Vancouver, BC V6E 1Z6 カナダ
電話番号:+1 604-684-5307
HP:http://qmunity.ca
Email:reception@qmunity.ca

Facebook:https://www.facebook.com/pg/Qmunity/about/?ref=page_internal
T
witter:https://twitter.com/qmunity