2020.09.09
9/8(火)宝塚市教育委員会〜保育士・幼稚園教諭向け研修〜
こんにちは。LGBT活動家の藤原直です。
昨日は、兵庫県宝塚市の教育委員会からご依頼をいただいて、
宝塚市の保育園、幼稚園の先生、約30名向けのLGBT研修を担当させていただきました。
宝塚市は、2016年6月に日本で4番目に同性パートナーシップ証明書を導入した自治体で(関西で初めて!)現在、9組のパートナーが証明を取得しています。
宝塚市パートナーシップの宣誓書について
それ以降、当時の人権男女共同参画課の課長とご縁をいただいて、年に何回市民向け講演会、市役所職員向け研修、人権交流学びの集い、社会福祉法人、男女共同参画センターエルなどで多数講演の機会をいただいてきました。
そして、昨日は、「教育保育現場における性的マイノリティの課題」の講師を担当させていただきました。

コロナウィルス対策でワークショップは、なしで、各自でワークに対する答えを考えて、数名の方に発表していただくスタイルで進めました。
「保育園でLGBTの子どもは、どんな困りごとを持ちやすいのか?」
・行動を男女別に指示することが多い
・おままごとなどでの役割分担があるのでは
・制作での画用紙の色が男女で決められている
・園指定のスモッグなどが男女別に色分けされている
・健康診断、身体測定や水着など着替える場面で困る
具体的な対応は、いろいろあるのですが、
一番伝えたいメッセージは、
「好きな人を好きと言っていい。」
「どんなものでも選べる自由な選択肢がある。」
この2つだけです。
グループワークなしでも先生方それぞれが、
普段の子どもの様子から熱心にいろいろな意見を出してくださいました。
「あの子が好きなんだよね。」
「園でのスモッグは、ピンクじゃなくて水色を着たい。」
「戦いごっこは、好きじゃないから、おままごとでお母さんをやりたいな。」
・・・・でも、
変に思われるかな。
嫌われてしまうかな。
お父さん、お母さんに、怒られるかな。
先生に、ちゃんとしなさいって言われるかな。


本当のことを言いたい気持ちは、あるんだけど、言えない。
どんどん、自分に嘘をついて、
自分も他人も信頼できなくなっていく。
そんな現状がある。
他の誰かにならないと生きられない世界は、誰だって息苦しい。
そして、LGBTを含む性的マイノリティは、
・多くの人がLGBTや性的マイノリティの知識を学ぶ機会がなかったため、今まで「当たり前」とされてきた男女の固定観念が強く無意識に押し付けてしまっている
・見た目ではわかりにくく、また、LGBT当事者自身も否定や非難、理解されないことを恐れて、カミングアウトできず具体的な課題や問題に気付きにくい
誰にもいうことができず、自己否定を続けて、
孤独感に陥ったり、自己肯定感が持てなくなっていきます。
子どもっていう人生の中でもかけがえのない、
心も体も柔軟で自由な時間を、本当の意味でのびのびと過ごすことができない。
不登校や学びや本当の自分で他者と交流する機会の喪失。
引いては、将来や社会に出るイメージや自分の居場所を見つけられないことに繋がっていくのは、とても悲しいことだと思う。
LGBTや性的少数者のことを伝える活動をしているのは、
LGBTの言葉の意味を伝えたいわけではない。
そんなのは、ネット上にいくらでも転がっている。
人は、一人では生きていけない。
だからこそ、
性的マイノリティへの知識を学びながら、
「あなたは、あなたでいいよ。」って、ただ寄り添ってくれる。
悩みや生きづらさがある中で、
信じて見守ってくれる。一緒に考えてくれる。
そんな人が一人でもいたら、
「今」この瞬間からでも、「未来」を作っていく一歩を踏み出せると思うんだよね。
来週も宝塚市教育委員会でのLGBT研修です。
伝えきれなかったことや、
LGBTの子ども達が自分を生きる上で、まわりの大人達ができること。
大切な時間を使って参加してくださる先生方が、
教育現場での具体的な行動につながるようなお話ができればと思います。
宝塚市教育委員会から、研修参加の皆さんに素敵な多様性の絵本を配布されていたので、次回、ご紹介しますね!
(私も、たまたま会場に持参していたので、びっくりでした!)
良い1日をお過ごしください。